宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち

2/4(金)に上映開始した『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 後章 -STASHA-』上映記念舞台挨拶(2/5(土)9:00の回・12:00の回)に行って来ました。
『前章 -TAKE OFF-』完成披露舞台挨拶(昨年9月)以来の東京でした。
幾分か落ち着いていた年末年始を経て、まさかこんなに急速に感染再拡大するとは思わず、対策を徹底して行ったとは言え、さすがにヒヤヒヤしましたが…今のところ体調も良好でホッとしています。

自分の体調管理もですが、こんな風に「無事に公開されるか」やきもきしながら封切りを待ったのはおそらく初めてで、舞台挨拶当日、お元気そうな登壇者の皆様を見たときは何というか…無事にこの日を迎えられて嬉しい!というよりも、安堵感の方が先に来ました。
そして、お久しぶりの皆様との再会も。
時世的に、がっつりお話はできなかったですが嬉しかったです!

さて、前章ではまともな長文感想が書けなかったので(ちょうど仕事が繁忙期で、ほぼ映画館に通うだけの人になってました💦)、前章の流れも踏まえつつ、今回は後章の感想をちゃんと書いてみたいなと。
直接的なネタバレはできるだけ伏せよう…とも思ったのですが、奥歯に物が挟まったようなモゴモゴした感想になりそうなので、ネタバレ全開でいきます。
数行ワンクッション置きますので、未鑑賞の方は、この先は自己責任でお願いします。

 
 
 
 
 

全体的に「新しいヤマト」を打ち出した前章とは打って変わって、ヤマトらしさ全開な後章でした。
もちろん新しい要素が多く、大筋としては原典である旧作と全く違う話にはなっているのですが、旧作要素の取捨選択の妙ですかね。
あとは、情感に訴える部分がとにかくしっかりと尺をとっていて丁寧だったという印象。
前章はどちらかというと、小気味よさ重視で、物語導入としての吸引力が強く、あと伏線もかなりばら撒かれていたんだな、というのを今更ながら再確認しました。
いかにも後章のためのものと思っていた要素から、「えっ、ここも拾うの!?」というところまで。
後章を観た後、いろいろ確認したくなって前章おかわりしてしまいましたw

あと、これも前章からの伏線ではあったのですが、土門の父が死の間際に笑っていた理由。
作劇上、土門自身がどこかで心の整理というか、折り合いをつけるタイミングは後章であるのだろうな…とは思っていたのですが、明確に回答を示す場面があるとは思っていなかったので、正直言って驚きました。
そして、そのきっかけとなる古代の言葉が、デスラー総統や土門に向けてのもの…というよりも、古代が自分の内に言い聞かせるような言葉であったのが、また心にじんわりと響きました。

古代くんは、両親も、兄も…さらに雪までも(雪は、結果的にはコスモリバースで甦るわけですが)、悉く愛する家族の最期を看取ることができなかった人です。
そんな人が、真実を知りながらも、ただの1分、1秒に懸けて…たとえその先に待っている運命が、悲しく報われないものであったとしても、確かに残るものがあると信じた行動の果て。
『ヤマトという時代』の「まっすぐに、正直に…自分の心に従う者」という真田さんの台詞も想起されます。
古代くんって、こうして年齢を重ねて、ある程度打算的に割り切って、賢く大人の振る舞いを身につけたとしても、心根はずっとこういう人間なんだよな…と、つくづく腑に落ちたといいますか。
これを書いている今でも泣いてしまいそうになりますが、ただ悲しいだけの涙ではなくて、その底にある僅かなあたたかさに、劇中のキャラクターたち同様、視聴者の私自身も救われる想いがしました。

あと、個人的に印象に残っている場面といえば、ラストの「こんにちは、サーシャ」。
笑顔の古代を迎えた雪の「お帰りなさい」という台詞も良いんですが、前章の「こっちは経験者だぞ」同様に、少し実写ドラマっぽい目線の芝居や、空気感、間合いが好きなんですよね。
ここ、安田監督が、またしてもいい演出をしてくださっている!(最終話の絵コンテをガン見!)

カプセルの中身が実体化するタイミングは、雪が一度コスモリバースの影響を受けているから、とか、古代守の意志で一度蘇った生命だから…とか、古代→雪がトリガー?とか、設定も踏まえた理屈は何パターンでも考えられそうで、だからこそ、どのように解釈しても正解だと思えるのが良いなと。
なお、私個人的には「ユリーシャから託された生命だから」説を推したいです。
自らの運命を受け入れながらも「1分でも、1秒でもいい」と、最後の瞬間まで笑顔で生き抜いて、それでも涙が溢れてしまった彼女がただただ切なくて、消える前に雪に会わせてあげたかったなあ…と思うので。
きっと雪も、いろんなこと話したかったし、伝えたかったよね…(記憶も取り戻したし)。

また、これは後章で…というよりも、リメイクシリーズをずっと観たからこそグッと来たポイントなのですが、エピローグのデスラー総統との会話で、古代が最後に見せた穏やかな横顔が、私、一番好きなんです。
2199で「君のいない地球なんかに意味があるのか」と涙を流した彼が、ここで「手放すなよ。お前の愛する者を」という言葉をかけられて、あんな風に穏やかな表情を浮かべるのが、もう…。
月並みな感想ではありますが、リメイクシリーズをずっと観ていて良かったな、と思った瞬間でした。
このシーンを観たくて2199からずっと観ていたのでは、と思うほどに。

で、ここでデスラー総統にかけられた言葉というのがまた、優しくも重いですよね。
「手放すなよ~」は、続編『ヤマトよ永遠に REBEL3199』でも、大きな意味を持つような気がしてます。
現時点での福井さんの3199関連の発言が、全てまるっとそのまま次作に反映されるとも思っていないですけど、どんな形であれ、古代くんにはまた何らかの試練が待ってるのは確実なので…(;’∀’)

続編3199の情報に、今からもうドキドキソワソワと落ち着きませんが、それはとりあえず一旦置いておいて、まずはこの2205を何度も観て、泣いて、味わい尽くしたいと思います!